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法住寺への奉納

2025年10月26日、珠洲市にある法住寺に写真作品の奉納をさせて頂きました。

今回もまた沢山のドラマがありました。

 

まずは法住寺に付いて説明をしたいと思います。

 

珠洲市の海岸にある見附島に設置された看板からの引用です。

 

『弘法大師空海が唐の國に渡り、恵果阿闍梨のもとで修行され、三国伝来の伝承者と認められ金胎両部の潅頂をうけ密教伝来の三杵を授けられた。

唐の僧たちはその三杵を奪い返さんと日本に帰ろうとする空海を海岸まで追い詰めて来た。

その時空海は東方を望まれ「密教有縁の所に行きて我を待つべし」と三杵を大空高く投げられた。

帰国された空海は三杵を求めて海路佐渡より能登沖を通られた時、波の音とともに法華経を誦する声が聞こえて来たので島を頼りに着岸された。

そこで村人達の案内により山の桜の樹に探し求めていた三杵の一つ五鈷杵が光り輝き白夜法華経を唱えていた。

空海は深くお喜びになり、ここに一字を創建され吼木山法住寺と名付けられた。

そして三鈷杵は高野山の松の樹に、独鈷杵は佐渡の小比叡山の柳の樹に掛かっていた。

それより島を見附島と呼び……』 以下省略  と有ります。

 

空海の生き様が大好きな僕は空海所縁の地に足を運んでいますが、この法住寺にも何度か足を運んで来ました。

2024年1月1日に能登大地震が発生しました。

能登にボランテイアに入りましたが法住寺までは行けなくて寺院がどうなっているのかが気がかりでした。

 

そんな中、奈良の国立博物館で『空海展』がありました。

空海好きの僕にとって〝行かない〟という選択肢はありませんでした。会期終了間際の6月6日になんとか行く事が出来ました。

 

博物館を廻っている中で法住寺の秘仏、不動明王が展示されているのに気が付きました。

説明書きには震災でかなりの被害を受けた中、幸運にもこの不動明王は無事で、今回の『空海展』に展示する運びと成りました……とあり、涙が出る思いでその場で立ち尽くしていました。

 

以下『空海展』の様子です。

会場内は撮影禁止でしたので不動明王はお見せ出来なく残念です。

 

金沢に戻り時が過ぎる中、今度は9月に能登において大雨による大災害が起きました。

10月に入り、珠洲に入って泥かきのボランティアを数日して帰途に付く前に気になっていた法住寺を訪ねました。

 

空海展は終わっているのであの不動明王も戻っていて運が良ければまた接見できるという期待もありました。

寺院は震災の被害に加えて参道も惨憺たるもので声になりませんでした。

 

住職に尋ねてみた所、不動明王は傷みが激しいのでこれを期に修復作業に入っていてお寺に帰って来るのはまだ先の事だと言うことでした。

以下はその時の寺院の様子です。

 

入り口の門(1、2カット目)、本堂(3、4カット目)には見た目には大きな被害はありませんでしたが、山門から本堂への参道(6〜9カット目)、本堂横(10カット目)は大きな被害を受けていました。

 

10月12日、奥能登の様子が気になり家内と一緒に珠洲を訪れました。

午前に羽黒神社に行きました。(こちらの方も奉納の運びとなりましたが、また別のブログで紹介したいと思います)

 

午後、法住寺を訪れました。かなり荒れていた参道は綺麗に修復されていて少し安心しました。

住職に再度、不動明王のことを伺いましたがまだ修復の途上で返っては来ていないということでした。

前回、伺った時の事は覚えてはいらっしゃらなかったようですが、奥様と共にとても親切に寺院の説明をしてくれ、普段は見る事の出来ない太子堂のお大師様を見せてくれたのです。

 

話しをしているうちに〝この寺院に奉納をさせて頂きたいという思いが強く湧いてきました。

そして思わず〝是非、作品を奉納させて下さい!〟という言葉が口をついて出たのです。

 

突然の進言で住職にも戸惑いがあったようですが、前向きに検討してくださりました。

最初は来年の大きな法要、ご開帳に合わせて行うかという案もありましたが、はやる僕の気持ちを汲んでくれて2週間後の10月26日を選んでくれたのでした。

 

話しは前後しますが、珠洲市内から山あいの法住寺に向かう途中に地蔵杉という立派な大杉があります。

祠があり、愛宕神社と書いてありました。

 

急ぐ気持ちを抑えて車を止め手を合わせる事にしました。

 

心ゆくまで祈った後、車に戻ろうとして空を見上げた瞬間でした!

とても美しい彩雲が出ているではないですか!

iPhoneで撮影しようと思いましたが止めて、車から急いでカメラを取り出し撮影をしました。

 

この後、上記の様に法住寺に着いて住職との会話があったのですが夕方、自宅に帰るまでこの時の事は忘れていたのです。

 

自宅に着いてパソコンに取り込んだ画像を見てとても感激しました。

なんと美しい彩雲なのか!

 

そして浮かんで来ました。法住寺には〝奉納させて下さい!〟と言った時、今まで撮った別の彩雲の写真を思い浮かべていました。

 

しかしこの写真こそ奉納すべき写真ではないか!

法住寺の直ぐそばで撮れたこの写真こそ相応しいのではないか!

そう思うと感慨深い思いで一杯になりました。

 

まさに撮らされた写真だ!奉納をするために神仏が僕に与えてくれた作品なんだという事が伝わってきました。

 

感謝しか有りませんでした。

いつもなら奉納が決まってから奉納する日まで日数があるのですが、今回は2週間という短い間で少し大変でした。

一番はタイトルなのですが数日間、思案し続けました。

 

そしてある時突然、降りて来たのです。最初に紹介した空海伝説にあるように吼木山の由来の元になった法華経が鳴り響く様子が頭に浮かび〝真言の響き〟という言葉が来たのでした。

10月26日、この日は雨が降っていましたが早朝に金沢を発ち11時から無事に奉納式を執り行って頂くことが出来ました。

住職のあげる理趣経はとても重厚でとても心の奥底に響いてきました。

 

法要の後は前の晩に住職が丹精込めて作られたというカレーを良かったら召し上がって行って下さいということでご馳走になりました。

その後、寺院の歴史や空海についての貴重なお話しなど時間の経つのも忘れて家内と住職夫妻の4人で楽しい歓談の時を持つ事が出来ました。

今回はまた今までにはないとても素晴らしドラマがある奉納でした。

 

本当に感謝しか有りません。

有り難うございました。