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五島への奉納の旅

始まりは1本のU_Tubeの動画でした。

五島列島の福江島の南東に浮かぶ黄島(おうしま)で行われている観音祭というお祭りをたまたま目にしたのでした。

 

2023年の長崎放送のニュースの動画です。

 

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/337620?display=1&mwplay=1

 

海岸のそばに県の天然記念物に指定されている「黄島溶岩トンネル」があり、130メートル続くトンネルの奥に観音様がまつられていて、毎年、旧暦の1月17日にお参りをする習わしがある。

無病息災などを祈る五島・黄島の観音祭。150年以上にわたって大切に守り継がれているという事でした。

その画像に写る黄島の延命院の住職である山下雅真さんの顔を見た時、懐かしい人に再会したようななんともいえない不思議な気持ちになったのでした。

 

そして直ぐに「この島に行きたい!観音祭に参加してみたい!山下住職にお会いしたい」という気持ちが湧いてきたのでした。

 

次回の観音祭は新暦では3月5日という事がわかりました。11月に入ったばかりの頃、何も考えずにこの5日という日を挟んだ5日間で直ぐに航空券の予約を入れたのでした。

 

この観音祭の画像を繰り返し見ている内に作品の奉納もする事が出来たらいいなという思いが浮かんで来たのでした。

 

そして山下住職宛に観音祭への参加希望と奉納させて頂きたいという旨のお手紙を出したのでした。

 

直ぐに住職から返信があり、快く観音祭の参加と奉納をお受けして頂いたのでした。

さあ、これから喜びに溢れ、3月5日の観音祭に向けての計画と準備です。

 

五島列島は一度は訪れてみたいと思っていた島でした。色々と調べて行く内に色々な事が分かって来ました。

隠れキリシタンやキリスト教弾圧の歴史、優美な教会群などが真っ先に浮かんで来ますが、明星院という真言宗の寺院が目に留まりました。

 

ここも僕が崇敬する空海と深い関わりのある寺院だと知り、立ち寄りたいと思ったのです。

そして延命院と同様、訪れるだけで無く、作品の奉納をさせて頂きたいという思いが湧いてきたのです。

 

こちらの野口瑞晃住職にも手紙を書きました。そして奉納を受けて頂くことが決まりました。

年をまたいで奉納の日が近づいて来ました。

 

3月2日、いよいよ出発です。

 

朝、7時に自宅を出発して小松空港へ!

 

小松から羽田、そして飛行機を乗り継いで羽田から福岡、福岡から五島の福江空港までの旅です。

羽田へ向かう上空から雪を頂いた富士山が見られました!

そしてなんと今度は羽田から福岡への途中、またも富士山を見る事が出来たのでした!

なんという幸先の良いスタートでしょう!こんな事はそうそうあることではないと強く思いました。

 

機内では奉納の旅が決まってから今日までのことを反芻している自分がいました。

思い立ったら後先のことや掛かる経費など考えずに突き進んでしまう自分が不思議に思えたり、「いったい自分は何のために奉納を繰り返しているのか?」という素朴な疑問が湧いて来たりしたのです。

 

奉納が決まってからかなりの時間があったので途中での気持ちの起伏があったりしてモチベーションを高いままに維持するのが難しかったりした事を思い返していました。

 

旅の計画も最初は以前、宮崎の神社に奉納に行った時の様に車での移動も検討しました。長崎港まで行き、そこから船で福江島へという選択肢もあったのです。

しかし調べて行くうちに福江島にも空港があることが分かり、飛行機を乗り継いでの移動に決定したのでした。

 

奉納する作品とお供えのお酒を準備して梱包しました。

最初はチェックインの時に全て預けるつもりでしたが、余りの重さと嵩(かさ)の大きさなので宿泊先の民宿に宅配便で送っておくことにしました。

お酒は割れるとまずいので一升瓶2本を厳重に梱包して大型スーツケースに入れ込みました。

 

荷物の総重量は規定オーバーで追加料金を支払ってチェックイン。

これのせいで別のチェックシートが派生し、乗り継ぎも3回という事でチェックインゲート通過の度、不具合が生じスムースには通過出来ないという事態が発生!

単に移動するだけなのに余計なストレスでかなりの疲労感がありました。

 

乗り継ぎにも間がかなりあって福江空港には夕方に到着。そして予約してあった〝民宿五島〟に投宿したのは5時を過ぎていました。

なんとか1日かかりで最初の目的地に到着!

 

送ってあった奉納作品も無事に着いているのを確認し、安堵感に満ちたのでした!

翌朝、3月3日。

朝食後直ぐに福江港近くにある池田レンタカーに行き、車を確保!

奉納は10時からの予定でしたが、少しでも早いほうが良いと言うことなので明星院に向かいました。

 

明星院は高野山真言宗に属する古来五島の真言宗の総本山であり、寺として五島最古の歴史を持つ。

大同元年(806年)、空海が留学の目的を達して中国から帰国の際にお立ち寄りになった際、虚空蔵求聞持法を修し、満願の朝、夜も明けきれぬ中、明星の奇光と瑞兆を拝され、中国で修めた密教が国家や民衆のために役立つものと、仏より示されたとして大いに喜び「明星院」と名付けられたと伝わる。   明星院 由緒沿革より

 

9時過ぎに明星院の到着。野口住職が暖かくお迎えしてくれました。

穏やかな口調で感謝の意を述べられ感謝状を授けてくれました。

護摩堂で作品の奉納をしたあと、住職と共に般若心経やご真言を一緒に唱えさせて頂きました。

 

そして本殿に移動して格天井の花鳥絵を見させていただいたのです。

 

 

奉納させて頂いた作品のタイトルは「真言の灯明」です。

延命院の奉納が決まり、続いて明星院の奉納が実現するようにと金沢のある神社でお祈りをしていた時に現れた彩雲を撮影したものです。

 

神仏習合のイメージ、神の光、仏の真言の融合を想念したものです。

明星院を後にしてから翌日にかけて福江島を巡りました。

 

福江島の西側にあるもう一つの真言宗の寺院で、唐から帰国した空海が真言密教を説いたという伝承がある大宝寺(1、2カット目)

日本武尊を祀った白鳥神社(3、4カット目)

聖地ルルドの聖泉の泉が混入され祝別されているというカトリック井持浦教会(5、6,7、8、9カット目)

アコウの大木がある大山祇神社(10、11、12カット目)

ステンドグラスが美しい三井楽教会(13、14、15、16カット目)

こちらもステンドグラスが美しい貝津教会(17、18、19カット目)

 

寺院、神社、教会と3種の違った宗教関連の地が一つの島に混在して居ることに不思議な感慨を持ちつつ、全ての場所から能登の復興、世界の平和と安泰を祈願いたしました。

途中で立ち寄った玉之浦の大瀬崎灯台、海の風景などです。

そしてどうしても外す事が出来ない、絶対に行きたかった場所!

空海記念碑 「辞本涯」(じほんがい)です。

 

804年空海は遣唐使船で唐へ渡ります。その時、日本で最後の寄港地となったのが福江島三井楽。空海がこの島と深く関わりがあることを知ってもらうため、この碑が建立されました。

記念碑に刻まれた「辞本涯」は空海が書に残した言葉で「日本の最果ての地を去る」という意味です。

 

ここに着いた時、強い風が吹いていましたが、寒さも厭わず、空海がこの地から旅立った時の状況や心境を思い巡らしてしばらくの間佇みました。

 

3月5日、14時40分福江港から延命院のある黄島へ!

 

黄島は周囲6,5kmの小さな島で人口は20名ほどの小さな島です。

40分の船旅で大島港に入って行くとまずは黄島神社が目に飛び込んで来ました。

いよいよ念願の地に来たんだという感動が湧き上がって来ました。

港に着くと住職の奥さんが迎えに来てくれていました。

延命院までは徒歩で5分くらいですが、大きなスーツケースを見て、大変だと思ったのか住職に連絡を取ってバイクで来て頂きました!

 

いよいよ山下雅真住職との対面です。

予想していた通りとてもはつらつとした素敵な方でした。

 

延命院は民宿もされていて2日間、お世話になることになります。

 

宿に荷物を置いたあと、まだ陽があるうちに島内散策と気になっていた黄島神社にご挨拶に行きました。

とても静かで素晴らしい空気感のこの島がいっぺんで気に入りました!

夕食には島で採れた新鮮な魚!

おいしく頂きました。

3月5日、いよいよ待望の「観音祭」の日です。

溶岩洞窟までは徒歩20分程です。朝一番で島外から船でやって来た人たちが延命院に立ち寄ったあと、随時向かっています。

僕たちは住職の運転する軽トラックにお祭に使う物を積んで移動!荷台にも数名乗っかり楽しく移動です!

 

洞窟に降りる手前に着いたら先発していたメンバー達が八十八観音に赤い前掛けを一つ一つ丁寧に掛けていました。

住職も前掛けを受け取り、掛けている姿がとても素晴らしく映りました。僕も家内も倣ってかけさせてもらいました。

さあ、次はいよいよ断崖を降りて洞窟に向かいます。

 

張ってあるロープを掴んで滑らないように慎重に進みます。

奉納のお酒などは参加メンバーが手分けして持ってくれました。

奉納する写真作品だけは自分の手でしっかりと持ち、傷ついたりしないように気を配っての移動でした!

断崖を下り次は洞窟です。奥行き130mあまりですが、奥に進むと屈まないと進めない高さの所もあります。かして貰ったヘッドライトを照らしながら進みました。

 

一番の奥には観音様が祀られていました。住職が丁寧に祭壇を整理してお供え物などを並べました。

奉納の写真作品も最前に置いて頂きました。

そして住職のご挨拶があり、観音経でお祭は始まったのです。僕も一緒に読経させて頂きました。

魂が奥底から揺さぶられるような感慨がありました。

それから参列者が順に焼香しました。

 

洞窟の入り口に戻り、ここに祀られているお不動様にも祈りを捧げました。

 

この日は長崎放送、NHKの取材も入っていました。

観音祭も無事に終了して延命院に戻り、次は直会です。

 

住職の奥さん、娘さんが丹精込めて作られた精進料理でおもてなしです。

島の住民や島外の参加者で楽しいひとときを過ごしました。

直会の後は福江島から来ている仲良し三人組たちと島内散策へ!

 

皆で長崎県で一番低い山、細ヶ岳(標高25m)に昇りました。

 

ここははジオパークの島でもあります。

そしてダイナミックな溶岩で出来た岩山やポッドホールなど……詳しく解説してくれたMさん!

まるで「ぶらタモリ」のような雰囲気で楽しかったです。

 

宿に戻り、夕方の船で福江島に帰る彼女達をみんなで見送ったのでした!

ここで余談です!

島に来てから感じていたのは随分とネコの多い島だなということでした。

聞く所によるとあの岩合光昭さんも取材で来島したということです。

 

しかしいつでもどこでも愛らしい姿は見ていて飽きませんね!

宿に戻り、今度は住職が船で島の周りを案内してくれるという!

なんと素敵なことか!

 

観音祭の参加者が帰ってまた静寂な時間が戻った島……

夕食までの間、とても安寧な時間を過ごしました。

3月6日、最後の朝を迎えました。

 

早くに起きて住職がお勤めに本堂に現れるのを待ちました。

一緒にお経を唱えたかったのです。

 

般若心経、理趣経などを一緒にあげさせて頂き、とても幸せな気分でした。

動画画像で初めて住職の顔を見た時から他人の様な気がしなく、きっと前世でもご縁していたという思いがしていました。

 

お話しをしている内に自分と同じ歳だということも分かり、益々、親近感が湧いてきたのでした。

 

その住職と共に読経する事が出来、最後に一緒に写真を撮る事が出来て本当に有り難かったです。

 

そして有り難い事に弘法大師空海の作と伝わる弁天像も時別に見せて頂いたのです。

とても言葉では言い表せない最高の喜びがありました。

 

 

 

奉納させていただいた作品です。

画題は『観音の妙光』です。

 

石川県の白山市の弘法大師に関連した場所で撮影した作品です。

 

今回は奉納を思い立ってから実現するまで長い時間がありました。

 

本当に実現出来た事に大きな喜びを感じています。

この奉納の旅でとても貴重な体験をさせて頂き幸せです。

 

僕は行きたいところが多く、なかなかリピーターになれないという悩みがあります。

沖縄の離島などに行き、親しくなった人に「また会いましょう!」と言ったり、言われたりしてもなかなか実現していない感もあります。

しかし、黄島だけは必ずもう一度来たい!山下住職にまた会いたいと強く心に思ったのでした。

 

最後になりましたが、福江島、黄島でお世話になった方々に感謝いたします。